慢性疾患をお持ちの方へ
高齢の方や高血圧、脂質異常症、糖尿病など慢性の疾患をコントロールしながら海外旅行に行かれる方は、旅行を楽しく安全なものにするために次のことに注意をしましょう。
ゆとりある旅行計画をたて、旅行日程や事前準備について相談しましょう
かかりつけ医にお持ちの疾患が安定していることを確認し、現地の感染症や流行している病気、生活上の注意点などを確認しましょう。早め(少なくとも4から6週間前)の受診により、必要なワクチンを接種し、免疫をつけた上で出発できるようにしましょう。
旅行中にお薬が切れることがないように、十分な量と英文診断書を携帯しましょう
万が一現地で購入しなければならないときでもスムーズにお薬が処方されるように、薬の一般名称と服用方法を英語で記載された診断書を発行してもらいましょう。病気が安定していない場合には、決して無理をしないようにしてください。
お薬は手荷物として機内に持ち込むようにしましょう
入国審査や手荷物検査でお薬について質問されることもありますので、お薬の英文診断書を携帯すると安心です。お薬はバラにして詰め替えてしまうと中身がわからなくなってしまいますので、パッケージに入ったまま携帯するようにしましょう。
旅行保険、社会保険の適用範囲、請求に必要な書類について事前に確認しましょう
旅行保険に加入する方がほとんどだと思われますが、慢性の病気に対する治療費はカバーされないこともあります(たとえば透析費用など)ので、ご自分が加入している旅行保険の適用範囲について確認をしておきましょう。また、保険適用に必要な書類も前もって確認しておくと安心です。
メディカルアラートカードを常に携帯しましょう
糖尿病や心臓病、アレルギーのある方は、意識を失ってしまうこともあります。その際には周囲の方や救急隊の方がすぐに状況を判断できるよう、英語で病名を書いたメディカルアラートカードが大変役に立ちます。このメディカルアラートカードは健康な方が携帯することもお勧めいたします。健康であること、お薬に対してアレルギー疾患がないことを証明することも緊急時には治療までの時間短縮につながります。
ツアー旅行では、自分のペースを保ちハードスケジュールにならないようにしましょう
「周りに迷惑をかけるから」と過度な疲労やストレス・ハードなスケジュールによる疲労から風邪を引きやすくなったり、お水や食べ物によって下痢になる人が多くいらっしゃいます。
最も大事なことは、無理はせず、体の自己管理をしっかりすることです。
これはツアー旅行に限らず、どんな旅行でも言えることですが、特にツアーでは団体行動が基本なため、「ここで体の不調を訴えたら添乗員やツアー客全員に迷惑がかかるのでは?」と考えてしまいがちです。症状が悪くなるなる前にストップをかけましょう。
- 風邪薬や頭痛薬といった基本的な薬は必ず持参し、「変だな」と感じたらすぐに服用する
- 体調不良を感じたら、すぐに添乗員や現地係員に相談する
- 体調不良を感じたら、出来るだけ早めに寝ること。とにかく寝ることが重要
- 体調不良の場合はツアーのペースに合わせようとせず、無理をしない
緊急時の対応も考えておく
旅行先で心筋梗塞や脳卒中などの一刻を争う病気の発作が起きた場合、一番頼りになるのは同行者です。一緒に旅行をする人には自分の病気とその対処法を具体的に書いたメモを渡しておくとよいでしょう。
また、ロングステイの場合は、現地の医療施設や専門病院を調べておき、救急車の呼び方、最低限伝える必要がある事項をメモしておくと安心です。
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