不活化ポリオワクチンIPV − ポリオの発生状況や予防接種についてのご案内

不活化ポリオワクチン[Polio]

ポリオ

ポリオ[Polio]の発生状況

ポリオ発生状況

主な流行地域は東南アジア、中近東、
アフリカです。

ポリオワクチン接種をお勧めする方

日本では、定期予防接種に指定されています。

昭和50年〜52年生まれの方はポリオに対する免疫(抗体)を持つ割合が、ほかの年齢層に比べて低いことがわかっておりますので、海外旅行と関係なく追加の接種を受けることをお勧めします。

赤ちゃんと接触のある方やこれから妊娠を考えている方。

ポリオの感染原因と症状

感染

ポリオとはポリオウイルスによって小児麻痺、脊髄性小児麻痺を起こす疾患です。ポリオに感染した人の便中にポリオウイルスが排出され、汚染された水・食物により、感染します。特に、これまでのワクチンは経口生ワクチンであり、お子さんのオムツの交換後の手洗いが重要です。

症状

ウイルスに感染しても、90〜95%の人は何ら症状が出ないで免疫ができます。5〜10%の人は風邪の様な症状が出て、感染者の0.1〜0.5%にマヒが現れます。 ウイルスが侵入する脊髄神経の位置によって、上肢や下肢に永久の麻痺が残ります。呼吸困難により死亡することがあります。

ポリオを予防するには

日本には現在、ポリオウイルスは存在していないとされていますが、ポリオウイルスの流行国(常在国)に行く事で感染する可能性があります。きちんとポリオを予防しましょう。

WHO(世界保健機構)はポリオの予防接種を強く勧奨し、地球からの撲滅を目指しています。(当クリニックもエコキャップに参加しています。ペットボトルのキャップを集めて世界の子供にワクチンを届けましょう!集めたキャップをクリニックにお持ちください!!)

ポリオワクチンについて

ポリオワクチンは2種類あります。 当クリニックでは、不活化ワクチンポリオを取り扱っております。

  • 生ワクチン・・・弱毒化した生きているポリオウイルスを使う
  • 不活化ワクチン・・・ポリオウイルスを完全に無毒化(不活化)したものを使う

生ワクチンは、免疫をつける効果が高く、値段が安いのですが、副作用として、ポリオを発症する可能性が僅かですがあります。ポリオ様の麻痺(ワクチン関連麻痺)と呼ばれています。

不活化ワクチンとはポリオウィルスが存在しないため、麻痺(VAPP)は起きません。

当院では、経口ポリオ生ワクチン/OPVは、取り扱っておりません。

不活化ポリオワクチン(注射/IPV)のみ対応しています。

当クリニック取り扱い不活化ポリオワクチン(IPV)

ワクチンの種類 ポリオ
商品名 イモバックスポリオ
  不活化ポリオワクチン IPV IMOVAX POLIO Sanofi Pasteur社
生産 国産 生ワクチン
販売元 Sanofi Pasteur社
基礎接種回数**

基礎免疫のない方:3回
(0、4-8週間、6-12ヶ月)

基礎免疫のある方:1回

基礎接種後の
抗体価持続期間
10年
抗体価がつく目安 2回接種後
軽度の副反応* 特になし
重篤な副反応* アレルギー反応(アナフィラキシー症状等)頻度;極めて稀
接種禁忌者* ネオマイシン・ストレプトマイシン、ポリミキシンBのアレルギー

*)掲載内容は全てではありません。
**)3回目の接種時期は、初回日から計算した日数です。

不活化ポリオワクチンのよくある質問

私は昭和52年生まれです。ポリオワクチンを接種したほうがいいですか?
昭和50年〜52年生まれの方はポリオに対する免疫(抗体)を持つ割合が、ほかの年齢層に比べて低いことがわかっておりますので、海外旅行と関係なく追加の接種を受けることをお勧めします。当クリニックにも海外出発とは関係なく接種する方が多くご来院されています。
0歳の幼児ですが接種してもらえますか?
海外渡航に伴うも小さなお子様へのワクチン接種は実施しております。詳細はこちらをご覧ください。
私は35歳ですが、もうすぐ赤ちゃんが生まれます。大人でもポリオワクチンは接種しておいたほうがいいでしょうか?
赤ちゃんと接触のある方やこれから妊娠を考えている方はポリオワクチンの接種をお勧めいたします。

トラベルクリニックとして

日本で生活する上では気にすることのない感染症。しかし、上・下水道施設が整備されて、非常に衛生的できれいな日本にはない感染症が世界にはたくさんあります。日本国内にはない感染症ですから、その感染症に対して無防備な状態で現地に飛び込んでしまったら、どうなるでしょう?感染症には軽症ですむものから重症化し入院や時にはあなたの命にまで危険が及ぶ怖い感染症もあります。健康である方も感染症にはかかります。

ワクチン接種を行うことによって、体の中に抗体(免疫)を付けてから現地に赴くことやワクチン開発のない(または開発中の)感染症からどのように身を守るかが大変重要です。

海外生活をより楽しくそして安全に過ごしていただくために、品川イーストクリニックではトラベル外来を実施しております。

海外で行われている予防医学学会へ積極的に出席することで、海外の医師との意見交流を行い、お越し頂く患者様へ的確なアドバイスを行っております。ご自身の身を守ることはもちろん、周囲への二次的感染予防としても、海外へご出発される前にしっかりと知識を見につけ、可能な限りの予防対策を行い、安全で楽しい滞在を願っております。

当クリニックでは、コンシェルジュ(看護師)によるカウンセリングや感染症専門医師による診察を行っております。