モロッコ王国(カサブランカ,ラバト,Casablanca,Rabat)に海外勤務(赴任)する際の予防接種、海外渡航健康診断を実施。感染症について学ぶトラベルメディシン(travel medicine)

モロッコ王国 Morocco

モロッコ:出張(赴任)・旅行への準備をしよう!

出発する前に、現地で罹るかもしれない病気を知ること、また、ワクチンを接種することにより予防できる感染症対策として、下記のワクチン接種や予防薬処方をご検討ください(注:当クリニックではあなたの健康状態やワクチン接種履歴、行く国や地域・期間・旅行スタイルをもとに決定します)。

持病をお持ちの方は、かかりつけ医にその疾患が安定していることを確認してください。

現地の感染症や流行している病気、生活上の注意点などを確認しましょう。

早め(少なくとも4から6週間前)の受診により、必要なワクチンを接種し、免疫をつけた上で出発できるようにしましょう。

ワクチン接種による十分な効果を得るためには、出発の4〜6週間前にはご来院ください。

出発まで4週間以内の場合でも、必要なワクチンや予防薬の処方、旅行中に感染症に罹らないようにアドバイスいたしますのでご来院ください。

1回の旅行で複数の国を訪れる予定の場合はお知らせください。訪れる全ての国に対しての必要なワクチン接種と情報を適切にご提供します。

海外赴任や留学などの長期滞在の場合は各企業や学校によって要求されるワクチンがある場合がありますので、お知らせください。

ルーティーンワクチンについては追加接種を受けてきましょう。

ルーティーンワクチン(インフルエンザ、水痘、ポリオ、麻疹、風疹、おたふく風邪、DPT(ジフテリア・百日咳・破傷風))は年齢にかかわらず抗体を付けておきましょう。

ルーティーンワクチンは海外旅行へ行かない方もワクチン接種をお勧めいたします。日本ではまれにしか流行しない麻疹などの小児疾患は、世界の多くの地域においては、まだ一般的な病気ですので、追加接種をしていない旅行者は感染の危険性が増します。

モロッコ:出張(赴任)・旅行への推奨ワクチン

推奨ワクチンは感染危険情報に基づいています。ワクチン接種による予防可能疾患の危険レベルは変わることがあります。

ワクチン
推奨される人
ルーティーン
MMR(麻疹・風疹・おたふく風邪)、DPT(ジフテリア・百日咳・破傷風)、ポリオなどのルーティーンワクチンの追加接種をしていない方はワクチン接種をしましょう。
A型肝炎ウイルスは経口感染(飲食物を摂取することで感染)しますので、汚染された水や氷、甲殻類、汚染された水で洗われた果物や野菜(サラダ)を生で食べないように注意する必要があります。途上国への一般的な旅行、宿泊施設、食品の消費においても感染する可能性がありますので、ウイルス性A型肝炎に感染する可能性のある国へ旅行する方は接種をお勧めいたします。
HBVウイルスに感染する危険性(高〜中間)がある国へ行く旅行者と仕事で行く未接種の方へお勧め。特に流動的に血液や体液に接触する可能性のある方、現地の方と性的接触のある方、医療的治療(例えば、事故・歯科治療)を受ける可能性のある方。
屋外で長時間過ごす旅行者、特に郊外でサイクリングやキャンプ、ハイキングなどの活動をする方、また動物と接する方(例えば、獣医など)、狂犬病に感染する可能性のある国への長期滞在者や移住者、コウモリ、動物に直接接触する可能性のある活動を含んでいる旅行者にお勧め。子供は動物に近づく傾向があり、咬まれたり舐められたりしても言わない可能性もあり、リスクが高いと考えられる。
旅行や仕事で行く未接種の方、特に食べ物や水を介して感染する可能性のある場所に滞在する方、知り合いや親戚、小都市、村、田舎に滞在する方。

★接種内容は期間、活動内容などを考慮して選択します。

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携帯品について

お薬について

  • 慢性疾患をお持ちの方は、毎日服用するお薬
    旅行中にお薬が切れることがないように、十分な量と英文診断書を携帯しましょう。
    ★詳しくは「 慢性疾患をお持ちの方へ」のページを参照してください。
  • 下痢止め薬
    普段の見慣れている薬も持って行きましょう。
    当クリニックでは、携帯常備薬を各種ご用意しております。
    ★詳しくは「携帯常備薬」のページを参照してください。

その他のアイテム

  • 水浄化用品
    ミネラルウォーターが手に入らず、汚染された水を飲まなくてはいけない場合は、ヨウ素剤や携帯用浄水フィルターを使用して水を浄化しましょう。
    ★詳細は「食べ物・お水に注意」のページを参照してください。
  • 日焼け止め
    UVプロテクションとしてサングラスと日焼け止めを準備しましょう。
    (メガネの上からでも装着できるUVカットのサングラスは当クリニックの眼科でもご用意がございます。)
  • もしもの時のトラベルキット
    マスク、ゴム手袋、サージカルテープなどの小物アイテム14種類と、整腸剤や総合感冒薬など普段お薬を服用されている方でも安心できるように、医師が飲み合わせを考えて選定した市販薬14種類がセットになった品川イーストクリニックオリジナルトラベルキット。
    ★詳細は「トラベルグッズ」のページを参照してください。
  • 虫や蚊に刺されから守る
    ・外出する際には長袖のシャツ、長ズボンや帽子をできる限り着用しましょう。
    ・ピレスロイド(pyrethroid)が含まれている殺虫エアゾールスプレーは宿泊先の室内にいる昆虫用に対して効果的です。
サンスクリーンなど液体の場合は機内へ持ち込むことが出来ない場合があります。
詳しくは「成田国際空港セキュリティガイド」などにて各自ご確認ください。
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北アフリカでみられるその他の疾病

危険はこの地域のそれぞれの国によっても、国内でも異なることがあり、また国内監視体制の質も国によって異なります。

以下は渡航者に影響を与える可能性のある疾病リスクです。これは存在する病気の完全なリストではありません。環境状況も変化することがあり、国内の地域別のリスクについての最新の情報も常に利用できるわけではありません。

デング熱フィラリア症リーシュマニア症はこの地域の一部で発生する昆虫によって発生するその他の病気です。虫刺されから身を守ることがこれらの病気を防ぐのに役立ちます。寄生虫による感染症の住血吸虫症はこの地域の淡水、特にナイルデルタ、ナイルバレーで見られます。淡水で泳がないでください。(塩素消毒されたプールは除く) 結核B型肝炎C型肝炎(エジプトでの有病率15%以上)などは長期の渡航者(またはその地域からの移民)によりたびたび起きる感染症です。

2006年3月に世界保健機構(WHO)はエジプトをポリオのない国として宣言しました。近隣諸国でのほかから持ち込まれた事例は時々起きています。

鳥インフルエンザ(H5N1)は、2006年エジプトの家禽で見つかり、ヒトの事例と死亡例も報告されています。家禽(鶏、アヒルを含む)や野鳥などすべての鳥との直接接触を避け、家禽農場や鳥市場など生きた鳥が飼育されている場所は避けましょう。家禽や野鳥のH5N1の発生を報告している国の現在のリストは世界動物保健機関(OIE)をご覧ください。国別のH5N1ウイルスのヒトの確定事例の合計数は世界保健機構鳥インフルエンザのウェブサイトをご確認ください。

こんなことに注意!

  • 加熱した水もしくはミネラルウォーターを飲む。水道水は飲まないこと。また、水道水から氷が作られることが多いので、氷入りの飲み物は避けましょう。
  • 生ものは避け、加熱されたものを熱いうちに食べましょう。
    寿司や刺身などの生ものは一流ホテルやレストランでも避けましょう。
  • フルーツやサラダは水道水で洗ってあることが多いので避けましょう。
  • 果物は自分で皮をむいて早めに食べる。野菜は加熱されたものを食べましょう。
  • 衛生的に管理の悪い屋台での食事は控えましょう。
  • 蚊に刺されないようにしましょう。
  • 狂犬病に注意が必要。動物をなでたり、なめられたりされないようにしましょう。
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安全な旅行にするために

虫刺されへの予防

デング熱のように虫刺されを介して広がる感染症に対しては虫刺されを防ぐことが大変重要です。

  • DEET成分が30%-50%入った防虫剤(虫よけスプレー)を使用する。 7%、15%の濃度で使用できるPicaridinは、より頻繁な添塗が必要です。虫除け剤は蚊の活動時間に合わせて使用しましょう。虫除け剤を顔にスプレーしたり、まぶたや唇に塗らないように注意してください。虫除け剤を使った後は常に手を洗ってください。虫除け剤は敏感肌、日焼肌や傷のある皮膚等には用いないでください。特に暑くて湿気の多い気候では、3-4時間毎に繰り返して塗布する必要があります。服の上から塗布すると虫除け効果はさらに長く続きます。虫除け剤は仕様書の指示通りに使い、特に幼いお子様ヘは過剰量にならないようにしてください。
  • 外出する際には長袖のシャツ、長ズボンや帽子をできる限り着用しましょう。

動物による噛まれ、傷へ予防

動物は人との接触を避ける傾向がありますし、挑発されない限り、たいていの動物は攻撃しません。しかし、時に大型肉食動物は攻撃的であり、攻撃する可能性があります。狂犬病(rabies)に罹っている動物も時に攻撃的になり、挑発されなくても攻撃することがあります。動物の咬傷は、重篤な創傷や狂犬病を引き起こす可能性がありますので注意が必要です。

  • 破傷風の追加接種をして、免疫をつけておきましょう。
  • 犬や猫を含め、動物には触ったり餌を与えたりしないようにしましょう。健康に見えるペットでも狂犬病やその他の病気を持っている可能性もあります。
  • 小さなお子様が動物に近づいたり、触ったり、刺激しないように見守りましょう。
  • 動物により咬傷した場合は、消毒剤か石鹸と水で速やかに洗浄し、医師の診察を受けてください。

食べ物とお水に注意

食品・飲料水の安全性に対する衛生基準や下水、社会的生産基盤が貧弱な国においては、旅行者下痢症にかかるリスクが高くなります。このような国では、旅行者は食品や飲み物を介しての感染症にかかるリスクを最小限にするため、すべての食品と飲み物(高級ホテルやレストランで出された物を含む)に用心すべきです。感染のリスクは、発展途上時国ほどより大きいものですが、衛生状態の悪い場所はどんな国でもあります。安全な飲食をするために下記を参考にしてください。

  • 特に食べる前には、頻繁に石鹸と水で手を洗ってください。石鹸と水が利用できない場合は、(少なくとも60%のアルコール付き)アルコールベースのハンドジェルを使用してください。
  • ボトル入りまたは煮沸した水、または缶やボトルの炭酸飲料を飲む。水道水、アイスキューブを避ける。
  • 露店商人から購入した食品を食べてはいけない。
  • 食品が完全に調理されていることを確認する。
  • 乳製品は(低温)殺菌されていることを確認し、殺菌されていない乳製品は避けてください。
  • 食物と水による感染症はしばしば嘔吐と下痢を引き起こします。軽症状の場合は携帯下痢止め薬が役に立ちます。脱水症状を防ぐために水分補給を十分に行いましょう。症状がひどいときは、医師の診察を受けてください。

★詳細は「食べ物・お水に注意」のページを参照してください。

事故防止

交通事故に巻き込まれること、あるいはその犠牲者になるリスクを減らすために、出来るだけ多くの実際的な予防策をとりましょう。

  • 飲酒運転はしない
  • 乗車中は必ずシートベルトを着用する
  • 現地の交通規則に従う
  • バイクや自転車に乗るときはヘルメットを着用する
  • 過剰に人が乗っているバスやミニバスには乗らない
  • 可能な時は現地のドライバーを雇う
  • 夜間の運転は控える

★詳細は「事故防止」のページを参照してください。

その他快適な旅行にするために

  • HIVやウイルス性肝炎などの感染症を避けるために刺青、ボディピアス、または注射針の共有は避ける。
  • 真菌および寄生虫感染を防ぐために、足を清潔にし乾燥した状態を保ちましょう。特に動物が排便している可能性があるビーチには裸足で行かない。
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帰国後について

帰国して最初に受けるのは検疫です。滞在先で下痢、腹痛、発熱など体に異常があれば健康相談室で相談してください。赤痢やコレラでも軽い症状ですんでしまうことがありますが、感染力は思ったより強く、自己判断で大丈夫と思っていても家族や会社の人に感染することもあります。

また、潜伏期間(病原体に感染してから、体に症状が出るまでの期間)がある病気が数多くあります。検疫時は何ともなかったのに、数日(中には数週間〜数ヶ月)してから症状が出ることがあります。症状が出た時には、速やかに医師の診察を受けましょう。診察を受ける際には滞在した国と期間、蚊やノミ、ダニに刺されていたらそのことや、食べたものについても説明されると診断の役に立ちます。

帰国時に体に異常があればお気軽に検疫所や感染症外来へ相談してください。

重要な注意:この文書では、この地域への旅行者のための完全な医学ガイドではありません。あなたのニーズとあなたの病歴に関係する特定の情報については、かかりつけの医師にご相談ください。勧告は妊婦、幼児、および慢性疾患を有する者ごとに異なる場合があります。

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