しっかりと虫除け対策を
マラリア、デング熱、ダニ脳炎などの感染症は、虫に刺されたり、咬まれたりすることで感染します。予防の基本は、虫がいるところを避けること、そして、虫除け対策です。
蚊の行動時間帯を知る
蚊に刺されて感染する病気は、蚊の種類によって異なります。また、それらの蚊は活動時間が異なりますので、蚊の特徴を知っておくとよいです。
マラリアを媒介する蚊
- 薄暗くなる夕方や明け方、夜暗くなった後に活動
予防方法:マラリア予防薬の服用(マラロン・メファキンなど)、蚊に刺されないように虫除け対策
デング熱やチクングニア熱などを媒介する蚊
- 日中に活動
予防方法:蚊に刺されないように虫除け対策
(デング熱やチクングニア熱に有効な予防ワクチン・予防薬は開発されておりません。)
服装に注意しましょう
長袖のシャツや長ズボン、ブーツ、帽子を身につけ、できるだけ皮膚が露出されている部分を減らすようにします。シャツの裾はズボンにしっかりと入れ、長ズボンの裾は紐などで縛れるものを選びましょう。靴下をはき、サンダルではなく足の指先までしっかり覆える靴をはきます。薄い素材物はその上からでも刺されることがありますので、ぴったりと身体に合ったものではなく、ゆったりとした服装を選びましょう。
宿泊施設をチェックしましょう
網戸に穴や隙間がないこと、エアコンが設置してあること、蚊の駆除対策を行っている宿泊施設を可能な限り利用しましょう。
蚊帳を用意しましょう
宿泊施設の網戸が不十分(穴や隙間がある)、エアコンがない場合、蚊帳が大変有効です。
虫除け剤の使用
日本で一般的に販売されている虫除けスプレーやクリームは効き目が弱く、ディート(DEET)という成分が30%以上含まれていると海外の昆虫にも有効なので、購入時は成分の量も確認しましょう。
CDC(アメリカ合衆国疾病管理予防センター)では下記の虫除け剤を推奨しています。当クリニックにもご用意がありますのでご購入可能です。
- 使用前に製品のラベル上の指示及び注意事項を全て読む
- 傷やひりひりした皮膚にはスプレーしてはいけない
- 使用するときは囲まれていない場所でスプレーする
- 飲んだり吸入したりしないよう注意が必要
- 衣服へ塗る場合、内側(皮膚に直接触れる部分)へ塗布しない
- 帰宅後など、昆虫に接触する機会から離れた場合は速やかに石鹸等を使い、洗い落とす
- 一度スプレーした衣類を再び着用する前に衣類を洗う
- 子供同士で虫よけ剤を塗ったりスプレーしたりさせない
- 乳児は、大人の手のひらで薄く延ばし、これを塗る
- 特に乳幼児に対し使用する場合は手のひら、顔(特に目、口)を避ける
- 虫よけ剤は子供の手の届かないところへ保管する
- 夏場など、日焼け止めと併用する場合は、日焼け止めを最初に塗りその上に虫よけ剤を塗る
DEETに関するリンク:
厚生労働省 - ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する安全対策について
DEET(CDC、米国小児科学会の推奨に基づく)
- 2か月未満の乳児には使用しないこと。
- 小児に使用する場合の濃度は30%以下にすること。