高山病予防薬 − 高山病予防薬としてダイアモックスを処方いたします。高山病の症状や高山病予防薬について解説。

高山病予防薬[altitude sickness] - 予防薬

高山病

スイス、南米、中国雲南省など、登山をしなくても高度の高い旅行先では、高山病にかかるリスクが高いです。予防対策をしっかり整えてから出発しましょう。

高山病とは、高度2500m以上(70歳以上の高齢者は高度2000m以上)での酸素不足が招くトラブルの総称です。一般の旅行者は登山目的でなければ高山病にならないと錯覚されますが、2500m以上であれば、観光目的でも発症する可能性はあります。例えば、南米で3000m以上の高地にある空港に飛行機が到着したり、スイスでケーブルカーや登山バスで高地へ移動する際に高山病になることがあります。世界の標高 高山病予防薬

このような方は気をつけて!

ヨーロッパ・アルプス・南米・アンデス地方・中国雲南省を旅行する人

グループツアー参加者

70歳以上の高齢者

体力を過信している若者

高山病の種類

高山病には山酔い、高所肺浮腫、高所脳浮腫の3つがあります。高山病の90%以上はこの山酔いで、命に別状はありませんが、放置すると高所肺浮腫、さらには高所脳浮腫となり、死に至ることもあるので、充分注意が必要です。

【山酔い】Mountain sickness

高山病の初期症状です。頭痛、嘔吐又は吐き気、疲労感や脱力感、立ちくらみやめまい、不眠といった症状が特徴です。これらの症状が感じられたら、速やかに高度を下げて下さい。

【高所肺浮腫】Pulmonary Edema

肺にむくみのでる高所肺浮腫になると安静にしていても呼吸困難となり、咳、ゼーゼーする、歩行困難、全身の脱力感などが加わります。気圧の低下により、血管から水分が出てくると考えると、理解し易いです。

【高所脳浮腫】Cerebral Edema

脳にむくみのでる高所脳浮腫は死の一歩手前の重症状態で、運動失調、思考力・判断力の低下、精神錯乱がおき、やがて昏睡状態となり死亡します。

高山病を予防するには

高山病の予防にはゆとりのある日程を組むことが大切です。時間をかけて徐々に高度を上げていけば、空気の薄い状態、気圧の低下にも体が慣れます。
しかし、海抜3,000m以上の空港に着陸する南米のツアーや、自動車などで短時間に高度を上げる場合には、予防薬を使用しましょう。

欧米でポピュラーなのが、アセトゾラミド(商品名:ダイアモックス)という薬です。この薬は脳の血管を拡張して血流を増やし、脳の酸素不足を改善する働きと、呼吸中枢を刺激して全身の低酸素状態を改善する効果があります。但し、本剤を服用していても急速に高度を上げると高山病に陥ることもあります。あくまでも高山病の初期症状として「山酔い」を予防する程度であり、過信することは避けてください。症状を感じられたら、高度を下げてるようにしましょう(500mでも800mでも高度が下がると楽になります)。服用方法は、高地に到着する前日から到着後3日までの4日間、1回125mg(2分の1錠)を1日2回服用すると高山病の予防になります(12時間毎に服用する)。夕方の服用を続けると呼吸が楽になり、睡眠を助けます。

  • 高所に順応する
    • 例えば3000m級の山であれば、標高2000m付近で1時間くらい休憩し、少しずつ高度を上げていく。
    • 富士山の登山でも、一般的には8合目で一泊するのは、気圧の低下に順応するのも目的です。
  • ゆっくりと登る
    • 早く登ると運動量が多いために酸素消費が激しく、酸素供給量を上回るので、高山病にかかりやすくなります。酸素摂取能力が極めて高い人であれば、早く登っても酸素供給が追いつきますが、酸素摂取能力が標準的な人がハイペースで登ると、たとえ体力・脚力が十分にあっても高山病になりやすいので注意しましょう。
  • 常に深呼吸をする
    • 深呼吸(息を限界まで吐いてから、息を十分に吸う)を行うことにより、酸素供給量が増えます。特に登りでは酸素消費が激しいので、常に深呼吸をしていないと、すぐに血中酸素濃度が落ちていきます。酸素は筋肉運動で消費されるので、ゆっくりと動かすとことが肝要です。
  • 十分に水分補給する
    • 体内水分が不足すると、血液の粘度が上がり、血液中の酸素の運搬が円滑に行われなくなるため、スポーツドリンクなどで水分補給を1時間に1回は行うようにしましょう。
  • 服装や荷物で体を締め付けない
    • ズボンのベルトや、ザックの腰ベルトは、きつく締め付けると深呼吸がしにくくなります。

高山病にかかったら

高山病の症状を感じたら、すみやかに高度を下げるのが最善の策です。症状があるうちは、それ以上高い所へ行くと大変危険です。ツアーでは「迷惑をかけるから」と具合が悪くても言い出しにくいこともありますが、症状が悪化してからのほうが、より多くの迷惑をかけることになります。少しでも気分が優れないとか頭痛を感じたら、症状が軽いうちに添乗員やガイドに申し出ましょう(頭痛は、普段使う頭痛止めを使って結構です)。
応急処置は酸素の吸入とアセトゾラミドの服用が挙げられます。治療薬としてこの薬を使う場合には、予防時の倍の1回250mgを1日に2回服用して下さい(1日に2錠)。

脳浮腫には、ステロイド・ホルモンの内服が有効です。 肺浮腫の特効薬はなく、特殊な人工呼吸器が必要になります。

高山病予防薬について

商品名 ダイアモックス錠250r
  ダイアモックス錠
生産 国産
販売元 三和化学研究所
服用方法 高地に到着する前日から、到着後3日後までの4日間内服。
ダイアモックスは1錠が250mgですが、これを1回125mg(0.5錠)で1日2回朝夕に内服。
4日間以上滞在する場合でも、徐々に体が順応し、予防の内服を止めた後でも症状は出現しにくくなります。
副反応・禁忌

副作用として一般的なのは、手・足・口唇のシビレ・ジンジン感・震え、ときに味覚の変化・耳鳴です。まれに嘔気・頭痛、極端な例として霧視の極端な例として霧視の報告もありますが、服薬中止で回復します。頻尿も見られることがありますが、本剤はもともと利尿剤なので、頻尿になることもあります。

高血圧や心臓病の治療を受けておられる方、てんかんの治療を受けられている方は注意が必要です。

本剤は硫黄を含む薬剤なので、硫黄化合物にアレルギーの人は飲んではいけません。

本剤について

ダイアモックスは、腎臓から重炭酸塩の排泄を促し、体液を酸性にするので、過換気(低酸素環境においてより多くの酸素を取り込もうとする努力)の結果によりおこる呼吸性アルカローシス(体液アルカリ化)を是正し、呼吸を促進させる作用があります。それによって、高所でみられる睡眠中の間歇呼吸を緩和します(睡眠が楽になる)。 脳髄液を酸性側に保ち、脳浮腫を軽減するとされています。

本剤は、普通24〜48時間かかる高所順応を早める(12〜24時間に短縮する)効果を期待できます。

あると便利な女性用トイレ補助器

ウィズフリーダム(Whiz Freedom)

ウィズフリーダム(Whiz Freedom)

登山などで、トイレのないところや不衛生なトイレを使わざる得ない場合に、重宝する女性専用トイレ補助器です。
便器に座ることなく立ったままでもオシッコをすることができます。


高山病予防薬のよくある質問

旅行でキリマンジャロ登山ツアーに行くのですが、クリニックに行けば高山病予防薬はもらえますか?
高山病予防のためのお薬は処方薬ですので、服用するご本人様にご来院していただき、医師との診察の後、必要錠数をお渡しいたします。

トラベルクリニックとして

日本で生活する上では気にすることのない感染症。しかし、上・下水道施設が整備されて、非常に衛生的できれいな日本にはない感染症が世界にはたくさんあります。日本国内にはない感染症ですから、その感染症に対して無防備な状態で現地に飛び込んでしまったら、どうなるでしょう?感染症には軽症ですむものから重症化し入院や時にはあなたの命にまで危険が及ぶ怖い感染症もあります。健康である方も感染症にはかかります。

ワクチン接種を行うことによって、体の中に抗体(免疫)を付けてから現地に赴くことやワクチン開発のない(または開発中の)感染症からどのように身を守るかが大変重要です。

海外生活をより楽しくそして安全に過ごしていただくために、品川イーストクリニックではトラベル外来を実施しております。

海外で行われている予防医学学会へ積極的に出席することで、海外の医師との意見交流を行い、お越し頂く患者様へ的確なアドバイスを行っております。ご自身の身を守ることはもちろん、周囲への二次的感染予防としても、海外へご出発される前にしっかりと知識を見につけ、可能な限りの予防対策を行い、安全で楽しい滞在を願っております。

当クリニックでは、コンシェルジュ(看護師)によるカウンセリングや感染症専門医師による診察を行っております。