出発する前に、現地で罹るかもしれない病気を知ること、また、ワクチンを接種することにより予防できる感染症対策として、下記のワクチン接種や予防薬処方をご検討下さい(注:当クリニックではあなたの健康状態やワクチン接種履歴、行く国や地域・期間・旅行スタイルをもとに決定します)。
持病をお持ちの方は、かかりつけ医にその疾患が安定していることを確認して下さい。
現地の感染症や流行している病気、生活上の注意点などを確認しましょう。
早め(少なくとも4から6週間前)の受診により、必要なワクチンを接種し、免疫をつけた上で出発できるようにしましょう。
ワクチン接種による十分な効果を得るためには、出発の4〜6週間前にはご来院下さい。
出発まで4週間以内の場合でも、必要なワクチンや予防薬の処方、旅行中に感染症に罹らないようにアドバイスいたしますのでご来院下さい。
1回の旅行で複数の国を訪れる予定の場合はお知らせ下さい。訪れる全ての国に対しての必要なワクチン接種と情報を適切にご提供します。
海外赴任や留学などの長期滞在の場合は各企業や学校によって要求されるワクチンがある場合がありますので、お知らせ下さい。
ルーティーンワクチンについては追加接種を受けてきましょう。
ルーティーンワクチン(インフルエンザ、水痘、ポリオ、麻疹、風疹、おたふく風邪、DPT(ジフテリア・百日咳・破傷風))は年齢にかかわらず抗体を付けておきましょう。
ルーティーンワクチンは海外旅行へ行かない方もワクチン接種をお勧めいたします。日本ではまれにしか流行しない麻疹などの小児疾患は、世界の多くの地域においては、まだ一般的な病気ですので、追加接種をしていない旅行者は感染の危険性が増します。
推奨ワクチンは感染危険情報に基づいています。ワクチン接種による予防可能疾患の危険レベルは変わることがあります。
黄熱に感染する危険のある国から来る、1歳以上の渡航者は黄熱予防接種証明書が要求されています。乗り継ぎのため、黄熱に感染する危険のある国の空港に12時間以上滞在した渡航者も黄熱予防接種証明書が要求されています。
推黄熱に感染する危険のある国です。サハラ砂漠以南に渡航する、生後9か月以上のすべての渡航者に黄熱の予防接種が推奨されています。
※渡航先が、サハラ砂漠およびハルツーム(Khartoum)市に限られる場合は、黄熱の予防接種は推奨されていません。
黄熱病のワクチン接種はもよりの検疫所又は検疫衛生協会で接種してください。当クリニック(通常の医療機関)では取り扱いがありません。接種は入国の10日前までに完了している必要があります。
★最新の情報は各国大使館や検疫所で各自確認下さい。
★接種内容は期間、活動内容などを考慮して選択します。
南スーダンのマラリア危険地帯:全域
■マラリア危険地帯へ行かれる方は、マラリア予防の方法について下記をご参考下さい。
主なマラリア予防の方法は下記の3つです:
■当クリニックでは下記のマラリア予防薬を処方しております。それぞれの予防薬には特徴がありますので、どの予防薬を選ぶかはご相談いただけます。
マラリアは常に深刻な病気で、死亡の可能性のある病気です。 パラサイトにかかっている蚊に刺されることにより人間に感染します。マラリア予防薬を服用し、蚊に刺されないようご自身の身を守りましょう。
マラリアの症状
マラリアの症状は蚊に刺されてから7〜9日で出てきます。マラリア危険地帯へ入ってからの最初の1週間目の発熱はマラリア症状とは似ていないこともありますが、旅行中に発熱がありましたら直ちに医師の診察を受けて下さい。
マラリアは、貧血と黄疸を引き起こす可能性があります。熱帯熱マラリア原虫によるマラリアの感染は、速やかに治療しなければ、腎不全、昏睡、および死を引き起こす可能性があります。上記の保護対策を使用しているにもかかわらず、マラリア流行地域から戻って1年後にマラリアを発症することがあります。翌年中に発熱を発症した場合は、直ちに感染症外来を受診しマラリア流行地域に滞在していたことを伝えて下さい。
マラリア予防薬は渡航前に購入しましょう。国外で購入する薬は効果が低い(又は、ない)可能性もあります。また、薬の成分が混合であったり安全でないこともあります。また、発展途上国ではニセ薬も横行しています。
★ニセ薬についてはこちらをご覧下さい。
ハルファンは国外で幅広く使われているマラリア治療薬ですが、このハルファンの使用により心臓発作など非常に危険な副作用をもたらし時には死亡することもありますのでCDCでは推奨されていません。生命にかかわる危篤状態であるかその他に治療方法の選択がない場合以外の使用は控えるべきです。
危険はこの地域のそれぞれの国によっても、国内でも異なることがあり、また国内監視体制の質も国によって異なります。
以下は渡航者に影響を与える可能性のある疾病リスクです。これは存在する病気の完全なリストではありません。環境状況も変化することがあり、国内の地域別のリスクについての最新の情報も常に利用できるわけではありません。
デング熱、フィラリア症、リーシュマニア症、オンコセルカ症(河川盲目症)は虫によって運ばれる病気で中央アフリカでも起こります。
アフリカトリパノゾーマ症(アフリカ睡眠病)はアフリカで増加しており(アンゴラ、コンゴ民主共和国、スーダンで流行、カメルーン、中央アフリカ共和国、チャド、コンゴ、コートジボアール、ギニア、モザンビーク、ウガンダ、タンザニアで非常に特有で、さらにその他のほとんどの国で低いレベルで見つかっています)、2000年以降、渡航者への増加が指摘されています。ほとんどがタンザニアとケニアで暴露にあい、一般的な観光ルートを反映しています。虫刺されから身を守ることがこれらの病気を防ぐのに役立ちます。
ペストが散発的、または突然発生します。2000年以降、マダガスカル、マラウイ、モザンビーク、ウガンダ、タンザニアで発生しました。コンゴ民主共和国のIturi Distric(オリエンタル地方)では毎年におよそ1000件の事例が報告され、2006年の大発生の場所です。
寄生虫の感染症である住血吸虫症はこの地域の淡水で感染することがあります。この地域の淡水では泳がないでください。(塩素消毒の行き届いたプールは除く)
2003年に始まり、これまでポリオのなかった中央、東、西アフリカでポリオの発生が報告されています。ポリオはナイジェリアでいまだ流行しています。
渡航者はアフリカの特定の地域の洞窟を訪れることに伴う重大な健康リスクについて注意するべきです。これらのリスクは蝙蝠によって広まる感染病のマールブルグ出血熱、狂犬病、ヒストプラスマ症を含みます。CDCは蝙蝠が生息しているような洞窟や鉱山には入らないように勧告しています。
高病原性鳥インフルエンザはアフリカのいくつかの国の家禽集団から見つかっています。家禽(鶏やアヒル)、野鳥を含む鳥とのすべての直接接触を避け、家禽農場や鳥市場などの生きた鳥が飼育されている場所は避けてください。家禽や野鳥のH5N1の発生を報告している国の現在のリストは世界動物保健機関(OIE)をご覧ください。国別のH5N1ウイルスのヒトの確定事例の合計数は世界保健機構鳥インフルエンザのウェブサイトをご確認ください。
中央、東、西アフリカへの渡航者に対するその他のリスクは腸チフス(2004年から2005年にコンゴ民主共和国で大規模な発生が起きました)とパラチフス、アメーバ症とブルセラ症です。
この地域の多くの国は結核の発生率が高く、HIVの有病率も高いです。
マラリアやデング熱のように虫刺されを介して広がる感染症に対しては、虫刺されを防ぐことが大変重要です。
動物は人との接触を避ける傾向がありますし、挑発されない限り、たいていの動物は攻撃しません。しかし、時に大型肉食動物は攻撃的であり、攻撃する可能性があります。狂犬病(rabies)に罹っている動物も時に攻撃的になり、挑発されなくても攻撃することがあります。動物の咬傷は、重篤な創傷や狂犬病を引き起こす可能性がありますので注意が必要です。
食品・飲料水の安全性に対する衛生基準や下水、社会的生産基盤が貧弱な国においては、旅行者下痢症にかかるリスクが高くなります。このような国では、旅行者は食品や飲み物を介しての感染症にかかるリスクを最小限にするため、すべての食品と飲み物(高級ホテルやレストランで出された物を含む)に用心すべきです。感染のリスクは、発展途上時国ほどより大きいものですが、衛生状態の悪い場所はどんな国でもあります。安全な飲食をするために下記を参考にしてください。
★詳細は「食べ物・お水に注意」のページを参照して下さい。
交通事故に巻き込まれること、あるいはその犠牲者になるリスクを減らすために、出来るだけ多くの実際的な予防策をとりましょう。
★詳細は「事故防止」のページを参照して下さい。
帰国して最初に受けるのは検疫です。滞在先で下痢、腹痛、発熱など体に異常があれば健康相談室で相談して下さい。赤痢やコレラでも軽い症状ですんでしまうことがありますが、感染力は思ったより強く、自己判断で大丈夫と思っていても家族や会社の人に感染することもあります。
また、潜伏期間(病原体に感染してから、体に症状が出るまでの期間)がある病気が数多くあります。検疫時は何ともなかったのに、数日(中には数週間〜数ヶ月)してから症状が出ることがあります。症状が出た時には、速やかに医師の診察を受けましょう。診察を受ける際には滞在した国と期間、蚊やノミ、ダニに刺されていたらそのことや、食べたものについても説明されると診断の役に立ちます。
マラリア危険地域を訪れ、マラリア予防薬を服用した場合、その地域を出てからも4週間(メフロキン、ドキシサイクリン)または7日間(マラロン)服用を続けて下さい。
マラリアは常に深刻な病気で、死亡の可能性のある病気です。もし、マラリア危険地域にいる間や帰国後(1年間)に発熱やインフルエンザ様な症状が現れた場合は、直ちに医療機関(感染症外来)を受診し、旅行について伝えて下さい。
帰国時に体に異常があればお気軽に検疫所や感染症外来へ相談して下さい。
重要な注意:この文書では、この地域への旅行者のための完全な医学ガイドではありません。あなたのニーズとあなたの病歴に関係する特定の情報については、かかりつけの医師にご相談下さい。勧告は妊婦、幼児、および慢性疾患を有する者ごとに異なる場合があります。